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Column 12 — Home Selling

家を売る、その前に。
7ステップの地図と「売り出す前の設計」で結果は変わる

公開日:2026年7月10日 執筆:K agency 編集部(宅地建物取引士・FP・金融機関出身の実務知見)

家を売るのは、多くの方にとって人生で一度あるかないかの経験です。「何から始める?」「いつ売れる?」「いくら手元に残る?」——全体像が見えないまま不動産会社に行くと、言われるがままに進んでしまいがちです。

本記事では、売却の全工程を7つのステップに分解し、期間の目安、かかる費用、そして結果を大きく左右する「媒介契約の選び方」と「売り出し価格の決め方」を整理します。読み終える頃には、不動産会社と対等に話せる地図が手に入ります。

この記事で分かること

全体像 ― 7ステップと期間の目安

ステップ内容期間目安
① 相場を知るポータルサイトの類似物件、成約価格情報で肌感を作る1週間
② 査定を取る複数社に依頼し、価格と根拠を比較1〜2週間
③ 媒介契約依頼する会社と契約形態を決める(後述)
④ 販売活動レインズ・ポータル掲載、内覧対応1〜3ヶ月
⑤ 交渉・売買契約価格交渉→契約、手付金(価格の5〜10%)受領
⑥ 決済・引き渡し残代金受領、ローン完済・抵当権抹消、鍵の引き渡し契約から1〜2ヶ月
⑦ 確定申告売却益(譲渡所得)が出たら翌年に申告翌年2〜3月

合計で3〜6ヶ月が標準的なイメージです。「転勤までに」「相続税の納期までに」など期限がある場合は、逆算して早めに動き始めてください。

媒介契約 ― 3つの違いは「縛りと義務」

一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数社への依頼○ できる× 1社のみ× 1社のみ
自分で買主を見つける×(必ず仲介経由)
レインズ登録義務なし(任意)7日以内5日以内
販売状況の報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
選び方の目安

人気エリア・築浅など「黙っても引き合いがある」物件は一般媒介で競わせる選択肢も。それ以外は、報告義務で活動が見える専任媒介が標準的な選択です。いずれの場合も、レインズ(業者間データベース)への登録証明書を受け取り、情報が市場全体に開かれているかを確認してください。自社だけで買主を探して両手仲介を狙う「囲い込み」への、いちばんの防御策です。

売り出し価格 ― 「査定額」の正体を知る

査定額は「売れる保証額」ではなく、その会社の見立て(3ヶ月程度で成約しうる予想)です。ここで知っておきたい実務のパターンがあります。

手取りはいくら? ― 費用の全リスト

計算イメージ(3,000万円で売却・架空の前提)

仲介手数料 約105.6万円(上限・税込)/印紙税 1万円/抵当権抹消・司法書士 2〜3万円/ローン一括返済手数料 1〜3万円/(必要に応じ)測量・解体・ハウスクリーニング等

→ 諸費用の合計は売却価格の4〜5%程度が目安。さらに売却益が出る場合は譲渡所得税(マイホームなら3,000万円特別控除で非課税になるケースが多い)を考慮します。

仲介手数料の計算式と「無料・半額」の仕組みは別記事で詳しく解説しています。相続した家の売却は、特例の期限があるこちらの記事をご覧ください。

「買取」という選択肢 ― 速さと価格のトレードオフ

「期限が迫っている」「築古で買い手が限られる」「近所に知られず売りたい」なら買取に合理性があります。その場合も複数社の買取価格を比較してください。1社の言い値で決めるのがいちばん損をします。

よくある質問(FAQ)

売却にかかる期間はどのくらいですか?
準備から引き渡しまで3〜6ヶ月が標準的です。立地・価格設定・時期(春の需要期など)で変わります。期限がある場合は、値下げ計画や買取への切り替え基準も先に設計しておくと安心です。
住みながら売れますか?
売れます。実際、居住中の売却は一般的です。内覧対応の負担はありますが、生活イメージが伝わるメリットもあります。空き家にしてから売る場合との違いは、ホームステージングや写真の工夫で埋められます。
住宅ローンが残っていても売れますか?
売却代金でローンを完済できれば問題ありません(決済時に一括返済・抵当権抹消)。残債が売却価格を上回る場合は、自己資金の充当や住み替えローン等の検討が必要です。まず正確な残債額と査定額の把握から始めてください。
査定は何社くらいに頼むべきですか?
2〜3社以上をおすすめします。価格だけでなく「根拠の説明」「販売戦略」「囲い込みをしない姿勢(レインズ登録・紹介実績)」を比較の軸にしてください。

売却前チェックリスト

売却の成否は、実は売り出す前の設計(価格・契約・値下げ基準)でほぼ決まります。地図を持って臨めば、不動産会社は「お任せする相手」ではなく「戦略を実行してもらうパートナー」になります。大切な資産の出口、納得のいく形で進めてください。

参考資料(最新の内容は必ず各出典でご確認ください)
  • 宅地建物取引業法 第34条の2(媒介契約)
  • 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(媒介契約・レインズ登録)
  • 国税庁 タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の取引・業者を勧誘・推奨するものではありません。価格・期間は物件・市況により異なります。税務は税理士等の専門家にご確認ください。

売り出す前の「設計」から、一緒に。

査定の根拠の見方、媒介契約の選び方、値下げ基準の設計まで。
売主側に立った戦略づくりを、現役宅建士がサポートします。