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Column 26 — Senior Housing

老後2,000万円の「前提」、知っていますか?
住まいの形で変わる老後資金と、60歳までの備え

公開日:2026年7月13日 執筆:K agency 編集部(宅地建物取引士・FP・金融機関出身の実務知見)

「老後2,000万円問題」が話題になったとき、見落とされがちだった前提があります。あの試算のモデル世帯は持ち家(住居費が月1万円台)だったこと。つまり老後の家計は、「どこに・どういう形で住むか」で数千万円単位で変わるのです。

本記事では、持ち家派・賃貸派それぞれの老後の住居費と備え、高齢期の住まいの選択肢、そして注意したい「自宅を使ったお金づくり」(リースバック等)の落とし穴まで、人生後半の住まい戦略を整理します。

この記事で分かること

老後の住居費 ― 前提で数千万円変わる

計算イメージ(65歳から25年間・架空の前提)

持ち家(ローン完済済み): 管理費・修繕・固定資産税で月3万円 → 25年で約900万円
賃貸(家賃8万円): 25年で約2,400万円+更新料等

差は約1,500万円。「2,000万円問題」の実態は、住まいの形によって「500万円問題」にも「3,500万円問題」にもなる、ということです。

これは「持ち家が正解」という意味ではありません。賃貸派はこの差額を意識して資産を作っておけばよいだけのこと。問題は、どちらの前提かを曖昧にしたまま老後設計をすることです。

賃貸派の老後戦略 ― 「借りられない」への備え

高齢になると、孤独死・家賃滞納への懸念から入居審査が厳しくなる現実があります。ただし対策と選択肢は年々増えています。

そして最大の備えは家賃原資の資産形成です。65歳時点で「家賃×25年分」の見通しが立つよう、NISAiDeCoで早くから積み立てる——賃貸派の自由は、この準備とセットで完成します。

持ち家派の老後戦略 ― 「住居費が安い」は半分だけ正しい

注意 ― 「自宅でお金を作る」商品の落とし穴

老後資金の不足を自宅で補う商品には、正しく理解すべき注意点があります。

気をつけたいポイント

これらの商品は「即断を迫る訪問営業」との相性が最悪です。自宅の資金化を考えるときこそ、複数の選択肢(通常売却・住み替え・賃貸化)を並べて比較する——家族や中立的な専門家を交えて判断してください。

よくある質問(FAQ)

老後も賃貸で大丈夫ですか?
準備次第で大丈夫です。①家賃25年分を意識した資産形成 ②UR・セーフティネット住宅など選択肢の把握 ③審査が通りやすいうちの住み替え、の3点セットが賃貸派の老後戦略です。
老後に向けて家は買っておくべきですか?
老後の住居費は確かに下がりますが、購入時期・立地・維持費次第です。「老後のため」だけの購入判断は、定住確度や家計の耐性を無視しがちなので、賃貸vs持ち家の総合判断(別記事)をおすすめします。
リースバックは使ってはいけない商品ですか?
仕組み自体は合法で、有効な場面もあります。ただし売却価格が相場より安く、家賃が高くなりやすい構造のため、「通常売却+住み替え」と比較して初めて判断できる商品です。即決は避け、複数社比較と家族への相談を。
持ち家の住み替えはいつ頃がよいですか?
体力・判断力があり、ローンや審査の選択肢も残る60代前半までに動くケースが多く見られます。売却と購入(または借りる)の段取りが必要なため、検討開始はさらに数年前からが安心です。

60歳までに整える5つのこと

老後の安心は、貯蓄額だけでは決まりません。「住まいの形」と「お金」をセットで設計した人から順に、老後の不安は消えていきます。人生後半の住まい戦略、元気なうちに一度、棚卸ししてみませんか。

参考資料(最新の内容は必ず各出典でご確認ください)
  • 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書(いわゆる「老後2,000万円」試算の前提)
  • 国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」
  • 国土交通省「住宅セーフティネット制度」/UR都市機構

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の商品・取引を勧誘・推奨するものではありません。試算は架空の前提によります。個別の判断はFP・税理士等の専門家にご相談ください。

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