K agency
トップ法人向けガイド育成就労の宿泊施設
法人向けガイド外国人材の住まい

育成就労の宿泊施設の基準と、申請までに部屋を用意する日程

育成就労は、技能実習に代わって2027年4月1日に始まる制度です。宿泊施設は、原則として計画の認定申請の時点で契約しておきます。

更新日:2026年10月10日出典の確認日:2026年10月3日文:川崎 拓也(宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

目次

計画の認定を申請する時期

育成就労では、技能実習の監理団体にあたる機関を、監理支援機関といいます。
計画は、会社が監理支援機関の指導を受けて作ります。

制度の開始前に出す計画の認定申請(施行日前申請)は、2026年9月1日から外国人技能実習機構が受け付けています。
2027年3月31日までの申請は、原則として開始予定日の7〜5か月前に出します。
機構の例では、2027年6月1日に始めるなら、2026年11月1日から2027年1月1日までに申請します。

物件探しは申請日より前に始めます(下の日程表)。
結果は2027年4月1日以降に順次郵送で届き、そのあと在留資格の手続きが続きます。
開始予定日は、監理支援機関とご確認ください。

宿泊施設を契約する時期と、申請に添える書類

育成就労法の施行規則18条は、受入企業か監理支援機関が「適切な宿泊施設を確保していること」を認定の基準にしています。
運用要領では、宿泊施設は原則として計画の認定申請の時点で、契約により確保されている必要があるとされています。

計画には宿泊施設とご本人が負担する居住費を書き、申請には次の書類を添えます。

  • 宿泊施設の見取り図(部屋の配置と寸法がわかる図。入国後講習の間に泊まる施設も含む)
  • 報酬・宿泊施設・徴収費用についての説明書(参考様式第1-15号)
  • 監理支援機関を通す受け入れ(監理型)では、監理支援機関が宿泊施設を適正と確かめたことがわかる書類

申請の時点での契約が難しいとき

契約が難しい「特段の事情」があるときは、予定する施設の見取り図をご本人に示して説明し、その資料を添えて申請します。
この場合も、どの物件にするかは申請までに決めておく前提です。
何が特段の事情にあたるかは要領に例がないため、監理支援機関とご確認ください。

ご本人への説明と、認定後の変更

雇用契約を結ぶときは、宿泊施設の写真や周辺の様子などを使い、十分に理解できるよう説明します。
説明と実際の住まいが違い、申し入れても直らないときは、転籍が認められる「やむを得ない事情」にあたることがあります。
認定のあとで別の施設に変えるときは、変更の事由が生じた日から1か月以内に届出をします。

宿泊施設の基準:寝室は1人4.5㎡以上

建物は、建築基準法の基準を満たしていることが前提です。
そのうえで、運用要領は次の点を確かめるとしています。

項目基準の要点
寝室の広さ床の間・押入など、実際に使えない所を除いて1人4.5㎡以上
私物の収納1人ずつ、鍵がかかり持ち出せない収納を用意し、鍵はご本人が持つ。
押入れの区分けや収納ボックスを渡すだけでは足りず、スーツケースでの代用も認められない
窓・冷暖房寝室の面積の7分の1以上の採光の窓と、冷暖房の設備
寝室の分け方日勤と夜勤など、就眠時間が違う組は寝室を分ける
水回りトイレ・洗面所・洗濯場・浴場と脱衣室。
近くに使える施設があれば、建物の外でもよい
避難・消火2階以上の寝室に通常住む人が15人未満なら、避難階段は1か所以上。
15人以上なら2か所以上で、避難器具で代えられる場合がある。
消火設備を置き、日頃から点検する
場所火災の危険が大きい物の近く、有害な作業場の近く、騒音・振動の大きい所、土砂崩れや浸水のおそれがある所などを避ける
衛生食堂・炊事場は照明・換気を十分にして清潔に保つ。
共用部分は必要に応じて消毒する

寝室として使える部分が3.6m×2.7m=9.72㎡なら、4.5㎡×2人=9㎡を上回り、面積では2人まで住めます。
図面の「専有面積」は玄関や水回りも含むため、人数で割って判断しないでください。
何人住めるかは、広さの計算ツールでも確かめられます。

寮が労働基準法の「事業の附属寄宿舎」にあたる場合は、寄宿舎規則の届出なども要ります。
社宅・アパートは、あたらないとされています。

受け入れた全員に4.5㎡以上で冷暖房が個別につく個室を用意すると、優良な受入企業の評価で加点されます。

特定技能1号で受け入れる場合は、居室1人あたり7.5㎡以上で、住居の基準が違います。
くわしくは特定技能1号の住居の基準の記事をご覧ください。

ご本人から受け取れる居住費の上限

ご本人が定期に払う費用は、内容を十分に理解したうえでの合意が必要です。
額は、実費に見合う適正なものとします(施行規則18条3号)。
居住費の上限は次のとおりです。

  • 会社が借りる部屋:借上げで定期的にかかる費用を、入居する人数で割った額までです。定期的な費用には、家賃・管理費・共益費、損害保険・火災保険を含みます。敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新料と、家賃保証会社への保証委託料などは含めません。
  • 会社が持つ寮:建設・改築の費用(土地を除く)、耐用年数、人数、築年数、似た賃貸物件の相場などから出した合理的な額です。役員や同居の親族が持つ物件も、実質的に会社と同じとみられるときは、会社が持つ寮と同じ扱いです。
  • 水道光熱費:実際の費用を、同居する人の合計人数(会社側の同居者も含む)で割った額までです。

来日直後の入国後講習の間に食費や居住費の負担があるときは、同じ額以上の講習手当を払います。
居住費を給与から差し引くには、労働基準法24条にもとづく労使協定(書面)が要ります。

申請日から逆算した、住まいの準備の日程

「開始予定日 → 申請日 → 契約日」の順に逆算します。
たとえば2027年6月1日に始め、2026年12月に申請するなら、物件探しは2026年10月ごろから始める計算です。

時期の目安やること主な担い手
申請日の約3か月前(開始予定日の約10〜8か月前)人数・勤務地・開始予定日・申請日を決める。借りるか自社の寮を使うか、部屋割り、家賃の上限、ご本人の負担額も決める会社・監理支援機関
申請日の約2か月前物件探しと内見。寝室ごとの㎡、収納、窓、冷暖房、水回り、避難の設備を、図面と現地で確かめる宅地建物取引業者・会社
申請日の約1か月前〜申請の前申込み・審査・会社名義の契約。間取り図から会社が見取り図を作り、監理支援機関と基準に合うかを確かめる宅地建物取引業者・会社・監理支援機関
申請日(開始予定日の7〜5か月前)計画の認定申請。見取り図と説明書を添える会社・監理支援機関
来日の約1か月前〜前日家具家電、電気・ガス・水道・インターネットを手配する。鍵つき収納を設置して固定し、消火設備を確認する会社・監理支援機関
日数は一般的な目安で、物件・地域・時期・審査の結果で変わります。
1〜3月は引越しが多く、部屋探しが重なりやすい時期です。
契約の始まりの日と申請日の関係は、監理支援機関にご確認ください。

部屋を借りるときに確かめること

会社名義で借りる

申請の時点ではご本人が来日していないため、会社か監理支援機関が借りて、ご本人が入居する形が基本です。
審査では会社の信用が見られ、物件によっては登記事項証明書や決算書などを求められます。

複数名で住む

物件ごとに「2人入居可」など住める人数の条件があるので、申し込む前に確認します。

保証人について

会社名義で借りる場合、ご本人の連帯保証人は通常いりません。
物件によっては、保証会社の利用や、会社側の連帯保証人を求められます。

K agency にご相談いただけること

K agency は、外国人材の寮・社宅にする部屋探しの相談窓口です。
宅地建物取引業者と連携して、ご相談を承っています。
受入企業のほか、監理支援機関や登録支援機関の方も、ご相談いただけます。

よくある質問

申請の時点では、まだご本人が来日していません。それでも部屋を契約しますか?
原則として契約します。
特段の事情があるときは、予定する施設の見取り図をご本人に説明して申請に添える例外があります。
来日までの家賃は、会社の費用として見込みます。
6畳の部屋に2人で住めますか?
寝室として使える部分が9㎡(4.5㎡×2人)以上あれば、面積の上では満たします。
押入や床の間は含めず、畳数の表示ではなく見取り図の寸法から計算します。
就眠時間が違う2人なら、部屋を分けます。
敷金・礼金や保証会社の費用を、ご本人に負担してもらえますか?
居住費に上乗せして受け取ることはできません。
会社が借りる部屋の居住費は、家賃・管理費・共益費などの定期的な費用を人数で割った額までです。
敷金・礼金・仲介手数料・保証委託料などは含められないため、会社の費用として見込みます。
育成就労を終えて特定技能1号に移ったあとも、同じ部屋に住めますか?
特定技能1号の居室の基準は、1人あたり7.5㎡以上です。
技能実習2号などから移る方が会社の社宅に住み続けたいときは、寝室1人4.5㎡以上で足ります(運用要領の別冊)。
育成就労から移る場合の扱いは、登録支援機関か行政書士にご確認ください。
長く住む前提なら、広さに余裕のある部屋を選ぶ方法もあります。
監理支援機関が宿泊施設を借りることもできますか?
はい。施行規則18条は、受入企業か監理支援機関が宿泊施設を確保することとしています。
どちらが借主になるか、費用をどう分けるかは、計画を作る前に決めておきます。

出典

  1. 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」第4章 育成就労計画の認定等(令和8年8月。宿泊施設はP.4-92〜4-95、居住費はP.4-97〜4-98、本人への説明はP.4-34、加点はP.4-121・4-130、転籍はP.4-196、変更の届出はP.4-230・4-246)
  2. 出入国在留管理庁「運用要領」(育成就労制度運用要領の掲載ページ。令和8年8月5日更新)
  3. 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」
  4. 出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(令和8年7月改訂)
  5. 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」
  6. 外国人技能実習機構「育成就労計画の認定申請手続(施行日前申請用)」リーフレット
  7. 外国人技能実習機構「育成就労計画認定申請書類一覧・確認表(監理型)」
  8. 外国人技能実習機構「よくあるご質問」(育成就労計画認定申請関係)
  9. 外国人技能実習機構「よくある質問(育成就労計画の認定申請関係)」(PDF。1-4 施行日前申請の時期、1-5 結果の通知)
  10. 厚生労働省 法令等データベース「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則」(令和7年法務省・厚生労働省令第4号。18条・8条)
  11. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正。住居はP.15〜17)

※ 本ページは一般的な情報提供であり、特定の取引を勧誘・助言するものではありません。税金・社会保険・在留資格のご判断は、顧問の税理士・社会保険労務士・行政書士などの専門家にご確認ください。物件のご提案と契約の手続きは、宅地建物取引業者が行います。

宿泊施設探しを相談する(無料)